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発達障害(神経発達症)とは?  〜ASD編〜

赤瀬 匠弥

ST LABO Blog (言語聴覚士)

発達障害(神経発達症)の種類 〜自閉症スペクトラム編〜

発達障害ってワードはよく聞くけど、曖昧に発達がゆっくりな子と思われがちですよね。発達障害と一口に言っても状態別に種別分けがなされています。今回は発達障害が3つに分類されてるお話を紹介します。

①ASD (自閉スペクトラム症)
②ADHD (注意欠如・多動症)
③LD  (学習障害)

以上の3つが中核症状となります。
今回はASDについての一般的な概要を紹介します。

疫学的視点

  • 生まれながらの脳の特性が原因とされる。
  • DSM-Ⅴ(米国精神医学会(APA)の精神疾患の診断分類、改訂第5版)以前は
    「自閉症」(知的障害あり)と、
    「アスペルガー障害」(知的障害なし)
    「高機能自閉症」などで分類されていたが、明確な境界が存在しないため、
    自閉症スペクトラム(連続体)という言い方へ統合・変更された。
  • 脳や性格の特性のため、薬物治療は存在しない。
     行動を起こす前段階の気持ちや衝動、認知行動の
     モデル(スキーマ)の修正を月齢にそった内容で
     修正、訓練していく。
  • 遺伝する可能性はあるが、未だ解明はされていない。
  • 子供の20〜50人に1人が該当、男性に多い。

自閉スペクトラム症 診断

  • 早ければ1歳半検診で気づかれることも
  • DSM-Ⅴが基準となる
  • 問診、行動観察、心理検査や知能検査を実施し診断される
  • PARS-TR(Parent-interview Asd Rating Scale-Test Revision)
    ※親面接式自閉スペクトラム症評定尺度→質問紙による評価

自閉スペクトラム症 分類

 分類周囲への関心他者への応答特徴
①孤立型   (ー)   (ー)1人で過ごすことを
好む
②受動型   (ー)   (+)集団生活が出来るが受け身
③積極奇異型   (+)   (+)自分の話したいことを優先して言う

自閉というと、コミュニケーションをしたくない、引きこもりになる。心を閉ざす。など 閉鎖的な性格傾向をイメージされるかと思いますが。実際には人との関わりの特徴で色々な分類がなされています。

自閉スペクトラム症 特徴

  • 社会性が低い友人や会社内でのコミュニケーションが出来ない。
  • 常同行動親が人目を気にして外出機会が減少する。
  • ルーティンから外れられない毎回同じ道路を通らないと気が済まない、新規学習が困難。
  • 知的な遅れ学業不振、就学・就労の幅がなくなる。
  • 興味の狭小化知識や経験が凸凹になる。
  • 他者の気持ちを汲むことが苦手なぜディスコミュニケーションになるか理解が出来ない。
  • こだわりの強さ集団行動の阻害になる。結果本人の行動範囲を狭められる。
  • 他者の指示よりも自分の意思を尊重する指示が通らないので集団行動が困難となる。

自閉スペクトラム症 2次障害

  • 上記の状態で社会生活を送ると、周りの人間とトラブルがあったり、生きづらさを感じるようになっていきます。
  • 現代では障害福祉分野における社会が成熟した結果、過剰なまでに発達障害の認知が進んでいます。そのため早期療育が勧められてはいますが、一部見逃されていたり、親が障害の受け入れをできずに、適切な支援の受けられていない方がいるのも実情です。
  • 就学時や就労時、環境が変わる際にはASD特性のある方は自己否定に走ることが多く、生きづらさや周囲の理解が得られないが故に、うつ病など、様々な精神疾患に罹患する可能性が高くなります。

自閉スペクトラム症 良いところ

  • 論理的な思考に長けている
  • 興味のあるものはとことん追い求める
  • 集中力が高い

興味関心のあることには凄まじい集中力・能力を発揮することがあるため、特定分野に秀でた方も多いようです。

メルカリ
ASD傾向があるとされている著名人(敬称略)
・イチロー ・米津玄師 ・ビルゲイツ(マイクロソフト) 
・スティーブジョブス(アップル)
・小林よしのり(漫画家) ・イーロンマスク(テスラ、ツイッター)
・アインシュタイン
・エジソン   
※広汎性発達障害やADHDを併発している方も含んでいます。

どの方も得意分野で才能を発揮している方ばかりですね。
興味関心への探究心が並外れて高いのは間違いなさそうです。

自閉スペクトラム症 治療的介入

  • 得意を伸ばせるように、本人の出来ることを模索していく。
  • ASDに関して、ペアレントトレーニングや、園や学校への指導を行う。
  • 自然に本人の社会性が育つのを待つだけでなく、SSTなどを活用してロールプレイを実施しておく。
  • オウム返しや語用の誤りなど、言葉の適切な場面での困難な際は、言語訓練を実施する。
  • DCD(発達性協調運動障害)を併発することが多く、他者への注目の薄さから、模倣が困難なケースも多い。もちろん、PT・OTの適応でもある。
  • STとしては注目できる力を伸ばすことが先決。それから言語訓練や構音訓練を開始していく。

ASDの特性を知り、それに応じた対応方法を、ご家族や療育者が一緒に検討できる状況が望ましいかと考えます。

まとめ

  • 自閉スペクトラム症と言っても、タイプによって出現する症状の違いが大きくあります。
    また、さまざまな発達障害を合併していることがほとんどなので、純粋なASDとか、純粋なADHDのケースは少ないです。
    そのため、出ている症状が何の発達障害由来で起こっているのかの鑑別をしていかないと、対症療法のみとなってしまい、原因が残ったままになってしまいます。
    原因に対して仮説を立てて、仮説が正しいのであればその訓練を継続するのは有益だと考えますが、仮説が異なると判断した際には訓練内容にこだわりを持たず変更していく柔軟な姿勢が必要だと思います。

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