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音素・音節・文節・モーラとは?日本語と多言語の違いも解説

赤瀬 匠弥
  • 日本語には『モーラ』という独特の単位があります。
  • 言葉は音の小さな単位の積み重ねでできているが、単位の種類によって捉え方が違ってきます
  • 本記事では4つの単位【音素、音節、文節、モーラ】を取り上げていきます。

音素(phoneme)

  • 定義:意味を区別する最小の音の単位
  • 例:「はな」 vs 「ばな」 → /h/ と /b/ の違いで意味が変わる
    「はな」(花)と「ばな」:/h/ と /b/ の違いだけで意味が変わります。
    「かき」(柿)と「かぎ」(鍵):/k/ と /g/ の違いで意味が変わります。
  • 特徴:文字ではなく音の抽象的な単位
  • 日本語の音素は、母音5つ(/a/, /i/, /u/, /e/, /o/)+子音およそ14種類。
  • 英語は母音が約20種類、子音は24種類程度あり、日本語よりも音素の種類が多いです。

さ⇨ S,Aの2音素。

かたな⇨ katana 6音素という具合です。

音節(syllable)

  • 定義:ひとまとまりの発音単位(母音を核とする)
  • 例:「かきくけこ」はすべて1音節=合計5音節
      「しょうぼうしゃ」は3音節=しょー(1)ぼー(1)しゃ(1)
  • 英語との比較:
    • 英語 “spring” → 1音節(s-p-r + i + ng)

    • 英語の “spring” は1音節ですが、日本語にすると「すぷりんぐ」で4音節になります。

音節を数える時は、「ゃ、ゅ、ょ、ん、っ、ー、ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」は数えません。

  • 日本語は単純な音節構造(CV型)が多く、英語は子音が連続する複雑な構造をとることがあります。
  • 音節は「発音のリズム」を理解するうえで重要です。

モーラ(mora)

  • 定義:日本語のリズム単位(拍)
  • 例:「がっこう」= が(1) っ(1) こ(1) う(1) → 4モーラ
  • 「ん」「っ」「ー」も1モーラとして数えるのが特徴
  • 英語や他言語にはあまりない、日本語特有の感覚
  • 短歌・俳句の5-7-5もモーラ単位で数える

小学生がじゃんけんをして、チョキで勝ったら、「チヨコレエト」で6歩進むときの数え方です。

文節

  • 定義:日本語文法上の意味や構造の最小単位
  • 例:「私は/学校へ/行きます」→3文節
  • 文節の見分け方:「ね」をつけて意味が通るところで区切る
  • 文節は音や発音の単位ではなく、文法の単位であることを強調

4つの単位のまとめ表

  • 単位    分野        定義         例(「がっこう」)
    音素    音声学   意味を区別する最小単位    /g/ /a/ /k/ /oː/
    音節    音声学   母音を核とした発音のまとまり が / こう
    モーラ   音韻論   日本語のリズム単位(拍)   が / っ / こ / う
    文節    文法    意味や構造の最小単位    「がっこうへ」

「きゅうきゅうしゃ」は
kyuukyuusya で11音素、
きゅーきゅーしゃ で3音節、
きゆうきゆうしや で8モーラ、となります。

他言語との違い

  • 英語や中国語はモーラではなく音節ベース
  • ハワイ語やポリネシア語など、音節構造が非常に単純な言語

日本語を学ぶ外国人が「ん」「っ」「ー」でつまずく理由はここにあるんですね。

まとめ

  • 音素=音の最小単位
  • 音節=発音のまとまり
  • モーラ=日本語特有の拍の単位
  • 文節=文法的な最小単位
  • 「音」と「文法」の両方から言葉を捉えることで理解が深まる
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赤瀬 匠弥
赤瀬 匠弥
言語聴覚士
言語聴覚士として小児分野の全ての悩みをカバーします。お気軽にご相談ください。
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