G-R2Z6L4LBV7 意外と身近にある?共依存とは?|ST LABO Blog (言語聴覚士)
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意外と身近にある?共依存とは?

赤瀬 匠弥

共依存とは

  •  「他者に過度に依存し、自分の幸せや自己価値を
     相手次第にしてしまう関係性のパターン」
     を指します。
     特に、アルコール依存症や薬物依存症の家庭や
     パートナーシップで問題視されることが多いです。

語源

 ・「共依存(codependency)」という概念は、

 もともと**アルコール依存症患者の家族支援団体

 「アラノン(Al‑Anon)」**の活動の中で生まれ

 ました。

  •  ・1940年代、アルコール依存症患者の配偶者や
  •  家族に共通する「過剰な世話焼き」「自分の
  •  人生を犠牲にする」「コントロール欲求」
  •  などの心理的特徴が指摘され始めました。
  •  ・当時は「共アル中(co‑alcoholic)」とも
  •  呼ばれましたが、依存症の種類に限らず
  •  見られるパターンであることから、現在では「codependency」と一般化されています。

元々はアルコール依存症の家庭での、独特の精神活動を指す言葉だったんですね。それが色々な状況下でも似たようなことが起きるので拡大解釈されるようになってきたようです。

以下に他の例を挙げていきます。

例1:アルコール依存症の夫と妻

  •  ・:毎晩大量に飲酒し、仕事も家事もまま
  •   ならない。
  •  ・:夫が飲まないようにお酒を隠したり、
  •   飲んでも二日酔いの夫を介抱したり、職場に
  •  「体調不良」と嘘の連絡をしたりして支える。
  • → 一見、献身的に見えるが、夫の回復を妨げ、妻自身の生活や健康も犠牲になる。

例2:親子関係

  •  ・母親:子どもが成人しても「この子は一人じゃ
  •   ダメだから」と過保護に世話をし続ける。
  •  ・子ども:母の期待や管理に応えるため自立
  •   できず、無気力に。
  • → 親の「支えることで自分の価値を保つ」心理が、子の成長を阻害する。

例3:職場

  • 部下:ミスや怠慢が多いが、上司が「この子は私がいないとダメだから」と業務を肩代わり。
  • → 部下は成長せず、上司は過労とストレスを抱える。

👩‍⚕️ 訪問看護・リハビリで見られる「共依存」のパターン

  • 実例:
  • 利用者:小児(例:重度の知的障害・自閉スペク
  •  トラム症)
  • 母親:四六時中つきっきりで子どもの要求を
  •  先回りして対応。「この子は私が全部して
  •  あげないと無理なんです」と言う。
  • 状況:子どもは「何かを自分でやってみる」
  •  機会を得られず、発達の可能性が狭められている。
  • ▶ 支援者の視点
  • 「お母さん、すごく頑張ってますね」と
  •  共感した上で、「お子さんが〇〇を自分でやみる
  •  時間を作ってみませんか?」と主体性を引き出す
  •  関わりを提案。

このように、共依存関係は意外と身近に多く存在しています。

「誰かのために何かをしてあげたい」という気持ちすら共依存の第一歩になりかねないので注意が必要です。

有名なアフリカ支援での言葉で。「金を寄付するよりも、農作業の方法や、や建物の作り方を教えるべき。」という旨の言葉を聞いたことがあります。これも一つの共依存の解消方法なんだと思います。

🌱 なぜ問題か?

  •  共依存の関係では、お互いに「本来の力を発揮する
    •  機会」を奪い合うことになります。
       本人が問題を直視して回復するチャンスや、
    •  自立する力を奪ってしまい、悪循環を作ります。

🚪 解決への一歩

  •  自分の感情やニーズを大切にする練習
  •  境界線(バウンダリー)を学び、相手と自分の課題
  •  を分ける
  •  支援団体やカウンセリングの活用(Al‑AnonやACA
  •  など)

アルコールによる共依存については沢山の支援団体が存在します。

自分だけの力では解決が難しいと感じた時は頼ってみるのも良いかもしれません。

下記に共依存に陥らないためのポイントを抜粋して書き出します。

項目内容
① 共感と境界線の両立「気持ちに寄り添う」ことと「何でも引き受ける」は別。
② 自立支援の視点支えるのではなく「育てる・引き出す」ことを目指す。
③ 支援チームでの共有スタッフ個人に負担が偏らないよう、感情や状況を共有する。
④ 家族支援の一環としての心理教育「良かれと思っていることが、相手の自立を妨げているかも」という視点をやさしく伝える。
⑤ 自己理解・セルフケアの促進支援者自身も「自分を大事にする」感覚を育てることが大切。

共依存はお互いが支え合うという美徳と、自立を阻害するという悪徳が共存しており、日常生活の至る所に見られるものだと思います。

私だけで答えを出すのは難しく、皆さんで答えを探していければと思います。

  • ↓インスタです

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赤瀬 匠弥
赤瀬 匠弥
言語聴覚士
言語聴覚士として小児分野の全ての悩みをカバーします。お気軽にご相談ください。
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