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条件付けとは?

赤瀬 匠弥

ST LABO Blog (言語聴覚士)

条件付けとは

条件付け(条件づけ)とは、心理学における学習理論の重要な概念で、

主に二つの主要なタイプがあります:

  ①古典的条件付け(レスポンデント条件付けとも言う)

  ②オペラント条件付け

  ※道具的条件付け(オペラント条件付けと混同されがち)

古典的条件付けとは

  • イワン・パブロフによって発見された学習形態
  • 中性刺激と無条件刺激を繰り返し対呈示することで、中性刺激だけで条件反射を引き起こすようになる
  • 受動的な学習プロセス

意味がわからないので簡単に噛み砕いてみましょう。

古典的条件付けでは”パブロフの犬”が最も有名です。

餌の時間をベルで知らせる行為中性刺激)と

実際の餌(無条件刺激)を同時に与える対呈示

を、繰り返すうちに、本来餌を見て唾液が出るはずが、

ベルの音を聞くだけで唾液が出るようになるというものです。

このように、中性刺激無条件刺激を同時に対呈示(呈示)することで、ベルだけでよだれが出るようになるというメカニズムです。

中性刺激(ベル)が→条件刺激(※後述)に変化したということですね。

主な専門用語の解説:

  • 無条件刺激(UCS): 自然に反応を引き起こす刺激(例:食べ物)
  • 無条件反射(UCR): 無条件刺激によって自然に引き起こされる反応(例:唾液分泌)
  • 条件刺激(CS): 学習によって反応を引き起こすようになった刺激(例:ベルの音)
  • 条件反射(CR): 条件刺激によって引き起こされる学習された反応(ベルの音を聞くと唾液が分泌される)

結果として、対呈示を行うことで、生物は異なる刺激にリンクが形成されるのだと解釈しています。

例えば/taiko/(太鼓)の絵や文字を見ながら、「たいこ」の音声を聴き続けていたら「この絵(文字)は太鼓という意味なんだ!」と学習できるということです。

オペラント条件付けとは

  • B.F.スキナーによって提唱された学習形態(スキナー箱が有名)
  • 自発的な行動とその結果の関係性を学習する
  • 能動的な学習プロセス

スキナー箱とは、鳥を箱に閉じ込めて、中に2つのボタンを用意します。一方のボタンを押すと餌がでてきて、もう一方には電流が流れるという装置です。

もちろん鳥は電気ショックが不快なので受けたくありません。結果としては、”餌の方のボタンのみを優位に押すようになり、電気ショックのボタンは押さなくなったそうです。

主な専門用語の解説:

  • 強化: 行動の頻度を増加させる結果(鳥が欲しい餌のボタンを押すようになる)
  • 弱化: 行動の頻度を減少させる結果(電流ボタンは押さなくなる)

両者の違い

  1. 古典的条件付けは受動的(受けるだけ)、オペラント条件付けは能動的(自分の行動の結果)
  2. 古典的条件付けは既存の反射反応に基づく(思考の余地はない)、オペラント条件付けは自発的行動に基づく
  3. 古典的条件付けは刺激(ベル)と反応(唾液)の関係、オペラント条件付けは行動とその結果の関係(どのボタンを押すことにメリットがあるか試行する)に焦点を当てる

条件付けは心理学や行動分析学の基礎理論として重要で、学習や行動変容の理解に広く応用されています

STも臨床場面で多くの条件付けのテクニックを使用しています。

「覚えて欲しい、この行動を増やしたい(強化)」というときにはこのテクニックを応用する場面が多いです。

現在社会では”罰”を与えることは御法度なので、いかに強化子(その課題をやりたい、楽しいという気持ちになるトリガー)を選定するかが腕の見せ所になってきます。

心理学での”消去”という言葉

強化はその行動を増やすためのものですが、その行動をやめさせたいとき”消去”という手法を使用します。

・古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)における消去
古典的条件づけでは、消去は条件づけられた刺激(条件刺激)が単独で提示され、無条件刺激(自然に反応を引き出す刺激)を予測しなくなったときに発生します。例えば、パブロフの犬の場合、ベルの音(条件刺激)が繰り返し鳴っても食べ物(無条件刺激)が与えられないと、最終的にはベルの音に応じて唾液を分泌しなくなる。

対呈示をやめるといつかはそのつながりはなくなるということですね。

犬「おっ、ベルだ餌の時間だー!」

犬「あれ、餌来ないぞ・・・?」

〜ベル=餌なしを、繰り返す〜

犬「ベルなっても餌もらえないし」

・オペラント条件づけにおける消去
オペラント条件づけでは、消去はそれまで行動を維持していた強化刺激(強化子)が一切提供されなくなった状態を指します。例えば、子どもが机の上に登る行動が周囲の注意(構ってあげることに相当)によって強化されていた場合、周囲がその行動を無視し始めると、子どもはそのような行動を取らなくなる

注意(注目)は行動を増幅する力があるんですね。

悪戯を親に見てほしい子供が注目行動をするのは、親に構って欲しいことが一因になっているかもしれません。

その注目行動も上手に行動を無視する(ネグレクトではない)ことで消去されるということです。

・消去バースト
消去の過程での初期段階では、被験者は「消去バースト(extinction burst)」と呼ばれる現象を示すことがあります。それは、消去過程が始まったばかりのときにしばしば起こり、応答頻度の突然の一時的な増加と、それに続く強化された行動の最終的な減少を伴います。新規の行動、感情的反応、積極的行動なども起こり得ます。例として、強化子としてエサを受け取るためにボタンを押すハトが、エサが出なくなる場合、ハトはボタンを押す頻度が一時的に増加し、その後減少していくこととなる。

消去抵抗とは、強化子がなくなることを拒否するために、一時的に強化子を凄まじく欲しがったり、癇癪を起こしたりして、ご褒美がなくなることを防ごうとする本能的な反応と解釈しています。

しかし、一時的な癇癪がおさまるにつれ、行動は確実に消去へ向かいます。

お菓子を買って欲しい子が、癇癪を起こして買ってもらっている状況で、親に「お菓子は買わない」と言われた時の状況です。

一時的に、買ってもらいたいがために癇癪は増えますが、うまく無視(ネグレクトではない)することで癇癪は減っていきます。

・消去の方法と注意点
行動の機能に基づく消去
消去の方法は、行動の機能(要求、注目、回避、自己刺激)に基づいて異なります。
• 要求機能: 行動をしても、欲しがっているものを与えない。(お菓子買うの我慢)
• 注目機能: 行動をしても、注目を与えない。(電気パチパチ消しても淡々と対応する)
• 回避機能: 行動をしても、逃避させない。                     (子供が叱られてる際に[例]子供がガラスを割って、叱ることが中止されると逃避が成立する。・・・ガラスを破れば叱られないというご学習の成立)
• 自己刺激機能: 行動をしても、刺激が発生させないようにする。(爪噛みが気持ちいい→苦いマニキュアで噛まないように対応など)


消去の注意点
消去単体で使用することは推奨されません。問題行動が減少する一方で、他の問題行動が新たに現れる可能性があるため、適切な代替行動(行動の置き換え)を教え、それを強化することが重要です

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赤瀬 匠弥
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