G-R2Z6L4LBV7 1. 子育てに役立つABAとは?行動を変える科学的アプローチを解説 2. 発達支援に効果的!ABA(応用行動分析)の基本と子育て活用法
SNSもチェック
Uncategorized

ABAとは〜応用行動分析〜

赤瀬 匠弥

ABAとは?

  • ABA(Applied Behavior Analysis/応用行動分析)とは、人の行動(Behavior)を科学的に分析し、望ましい行動を増やし、不適切な行動を減らすための方法論です。行動心理学に基づいた実践的なアプローチであり、自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとした発達障害の支援で特に有名ですが、教育、医療、企業研修、子育てなど多くの分野でも活用されています

つまり、良い行動を増やして、悪い行動を減らす取り組みです。

その使用方法について調べていきましょう!

ABAの基本原理

  • ABAの中核になるのは「三項随伴性(ABC)分析です。
項目内容
A:Antecedent(先行条件)行動の直前にあったこと「おもちゃ片づけてね」と言われた
B:Behavior(行動)実際に起こった内容おもちゃを片付けた
C:Consequence(結果)行動の後に起こったこと「えらいね!」と褒められた
  • ABAではこの「A→B→C」の流れを分析し、行動がなぜ起こったのか、どうすれば強化(増加)されるかを考えます。

癇癪を起こしてしまった際など、A〜Cのどこに問題があったのかを分析していきます。また、同時にどうしたらより良い行動に変わるのかを探ってもいきます。

よく使われるABAのテクニック

技法内容用途
強化(Reinforcement)行動の後に「ご褒美」を与え、同じ行動の再発を促す例:できたらシールを貼る
消去(Extinction)望ましくない行動の結果をなくし、徐々に減らす例:癇癪に反応しない
プロンプト(Prompting)行動を引き出すためのヒントや助けを与える例:手を添えてお片付けさせる
シェイピング(Shaping)徐々に理想の行動に近づけるように段階づける例:最初は手を伸ばすだけでもOKとする
チェイニング(Chaining)行動の手順を1つずつ教える方法(順行・逆行がある)例:トイレの一連の動作を段階的に教える

良い行動は”強化”して増やす、悪い行動は”消去や弱化”し減らしていくことが基本的なやり方になります。

よくある、癇癪を起こしている子にアメをあげてご機嫌を取るのは「泣くことでアメをもらえた」という経験をさせてしまうため、逆効果です。

🔶 子育てに活かせるABAの事例

  • 🟢事例1:子どもが宿題をなかなか始めない
  • A(先行条件):「そろそろ宿題やってね」と声をかける
  • B(行動):だらだらして始めない
  • C(結果):叱られる or 親が手伝う
  • ➡この場合、「叱る」や「手伝う」がかえって“宿題をしなくても注目を得られる”という強化になっている可能性あり。
  • ⭐️ABA的対策
  • 宿題を始めた瞬間に「すごい、すぐ始めたね!」と褒める(強化)
  • スタート時間を視覚的に明示(タイマー使用)
  • 小さな単位で区切って、できたらシールを貼るなど報酬

基本的に人間はかまってちゃんで、正しい行動を起こした後に正しい注目を与えるのが重要です。

  • 🟡事例2:癇癪を起こすと親が何でもやってくれる
  • A:自分で靴を履くよう促された
  • B:泣き叫んで癇癪を起こす
  • C:親が代わりに履かせてくれる
  • ➡「癇癪を起こせばやってもらえる」が強化されてしまっている
  • ⭐️ABA的対策:
  • 泣いても要求をすぐに満たさない(消去)
  • 落ち着いて履こうとした瞬間を褒めて強化
  • 小さな成功(片方だけ履くなど)でも肯定して次へつなげる(シェイピング)

癇癪が手に負えなくて辛いということを多くのご家族から伺います。でも「癇癪はコミュニケーション手段としては使わないんだよ」ということを覚え込ませることは重要です。

  • 🟦事例3:朝の支度が遅い
  • 課題:着替え、歯磨き、荷物準備などがなかなか進まない
  • 対応:
  • 一連の支度をチェイニングで分解(順番カードや絵カードで)
  • 1つクリアするたびにスタンプを押すなどで強化
  • プロンプトで最初は手伝い、徐々にフェードアウト

スタンプの事例は”トークンエコノミー”という手法で、色々と応用して使用することが可能です。

A.お手伝いするたびスタンプ。⇨たまったらご褒美と交換

B,電車会社がスタンプラリーを実施して乗客を集める

C,買い物をするとポイントが貯まり、ある程度貯まったら商品と交換

など、社会の至る所で利用されています。

ABAの利点と注意点

  • 利点
  • 科学的に根拠があり、効果が実証されている
  • どんな子にも応用できる
  • 発達障害児支援に広く使われている
  • 注意点
  • ご褒美ばかりに頼りすぎないように注意
  • 行動だけでなく感情や背景にも目を向けることが大切
  • 子どもの尊厳や自主性を大切にしながら行う

まとめ

  • ABAは「行動の理由を科学的に探り、良い行動を増やす方法」
  • 日常の子育てに応用できるテクニックが豊富
  • ご褒美や褒め言葉をうまく使って、望ましい行動を強化する
  • 癇癪や不適切な行動にも「原因」と「結果」がある

ABAを正しく理解して使用するには専門家の知恵を借りましょう。何事も過ぎたるは及ばざるが如し、過療育には注意しましょう。

https://amzn.to/3GUIqMj
ABOUT ME
赤瀬 匠弥
赤瀬 匠弥
言語聴覚士
言語聴覚士として小児分野の全ての悩みをカバーします。お気軽にご相談ください。
記事URLをコピーしました